MESSAGE第3話『砕かれた自信』

新たな戦いを予感し、共に行動するシュウとセイジ。
トウマとシンからの連絡はない……何かあったか!?
次に狙われるのはシュウか!?セイジか!?
戦士として己の体を鍛えるシュウ。
輝煌帝伝説の経験を経て、鎧を捨てたシュウだが、
悪を倒さんとする正義の心は失ってはいない。


一方セイジは鎧武者五人衆の台本を読み解いていた。
これまでの戦いを経て、戦うことに疲れたセイジ。
鎧は何故静寂を壊そうとするのか?
人が争いを続けるからか?
人には安らぎを求める心がある。
何故その心をうる為に剣を取らなくてはならないのか?
鎧は怨念で作られる。
これは鎧が自分を生み出した人間への復讐なのだろうか?
心に迷いのある内は、剣を持つことはできない。
礼の心を持つセイジは、歴史の影にけなげに戦った者達に失礼と、
半端な気持ちで戦おうとはしないようだ。
シュテンに関する回想シーン。
トルーパー達と同じ、鎧の戦いに身を投じた者の結末。
痛ましく思える末路、今、本望と思う……
セイジは台本を読み解いていくうち、
この舞台が、本当の鎧伝説……
人の心の戦いを描いたもの書いたものではないか?
これを書いた予言者の存在をいい意味で受け止めたい。
過去に鎧を感じ取り、邪悪に蝕まれる未来を恐れ、
サムライトルーパーに思いは行き着いたのだ……と。
だがその時代、その思い果たされる事はなかったであろう。
江戸時代だから戦国時代よりは希望はあったかもしれないが、
今21世紀の現代でもできてませんからね。
所詮戦いの愚かさを説くなど幻想に過ぎない事。
この世に訴えたいと舞台を持ち、人々に心を説き続けた。
これを、救われた人達と感じたい。
我々と同じ道を歩いた心が、ここにはあるのだ。
歴史の中で、忘れられた人々の嘆きが聞こえる……
だが我々に理想は語れない。
我々は、鎧の歴史に意思を持ち続けただけなのだから……
戦士として、我侭を許してもらいたい……
嘆きを聞き流してもらいたい……
運命は出し抜けない運命に甘んじて生きるのもいいだろう。
ただ、理由と信念の裏付けが欲しい……


過ぎ去った過去に道は一つしかない。
パラレルワールドとは言っても、
過去は一本道だ。通ってきた道は一つしかないからね。
だが、未来への道は千差万別。
鎧が夢見た未来は
果てぬ理想か?
排他的思想か?
そう考え鎧武者五人衆を読んでいくうちに、
セイジは今回の事件の裏にある怨念を感じ取る。
そして脳裏に浮かぶは……
MESSAGE第1話ですずなぎが見せたネオステージ、
輝煌帝伝説のラスト、
サムライトルーパーが、輝煌帝を打ち倒すシーン
……ではなかった。
逆に、輝煌帝が5人を倒し、その光で全てを無に帰すシーンであった。
自分達のした事は……間違っていたのか!?
戸惑うセイジをシュウは一喝する。
自分達が死んだほうがいい未来を少しでも考えたセイジを。
覚悟が決まったか、二人は共に部屋を出る。
だが二人の行く先は別々であった。


セイジは滝の前で瞑想をしていた。
過去に仕掛けられた試練……
サムライトルーパーとしての責務は終わってはいないのだ。
セイジは自分なりの答えを見つけようとしていた。
それにしても……ホントセイジは滝が好きですね。
セイジの脳裏に、先程のトルーパーVS輝煌帝の、
これまでとはまた違ったイメージが走る。
それは、光輪の鎧が光輪剣で輝煌帝を倒すシーンであった。
だがその光輪剣に光はなかった……
それは光輪の鎧……
いや、セイジの心の迷いを表していたのであろう。
瞑想しながらも、セイジは感じ取っていた。
自分達のした事……輝煌帝を倒した事を間違いと思い、
背後に迫るすずなぎの怨念を。
すずなぎの次の狙いはセイジであった。
セイジの目の前に現れる光輪の鎧。
光輪が容赦なくセイジに斬りかかる。
とっさにセイジは傍にあった刀に手を伸ばしていた。
自分の身を守るとは言え、無意識に……
取るまいと誓っていた刀に手を伸ばしてしまった。
この心ある限り迷いは解けん!
セイジは刀を持たず、光輪の鎧と向き合う。
そのセイジの姿勢に、光輪の鎧が突如伏せる。
そして光輪剣をセイジに手渡す。
力に力で応えるは、まさに愚の骨頂!
浸れ、身よ、心に!
我が身に陰りなし、光ここに舞う限り!
セイジが持つ光輪剣が輝きだす。
それはセイジが迷いを捨てた証。
セイジは今回の事件に対する答えを見つけ出したのだ。
いや、既に答えは見つけてはいた。
TVシリーズでアラゴがセイジを妖邪界へと引き込もうとした時に。
永かった戦いせいで、その悟りも忘れかけていたのだろう……
迷いを捨てたセイジの体から溢れる力。
そんなセイジを前に、すずなぎは一時撤退する。
セイジを鎧に封じ込める事に失敗したすずなぎ。
ここに来てすずなぎの計画は狂い始めてきていた。
そしてすずなぎ自身もまた変わり始めようとしていた……


一方シュウは、新宿のビルの屋上にいた。
鎧の気配を感じ取ったシュウは、徐に、
ビルの屋上から飛び降りた。
自殺を図ろうとしたのだ。
自ら命を絶つなどシュウらしくないといえばシュウらしくないが、
シュウには自分が死なない自身があった。
地面にぶつかる寸前、シュウの体が空中で止まる。
シュウは判っていた。
輝煌帝を呼び出す為に自分が必要な事を。
相手は自分を死なすわけにはいかないと。
シュウに誘き出される形ですずなぎが、
そしてすずなぎの怨念で作られた金剛の鎧が姿を表す。
すずなぎはシュウに、
自分が鎧を作った目的は、輝煌帝を今一度呼び出し、
正しき光の、正しき導きを示す事と明かす。
輝煌帝の力を知るシュウは、
すずなぎの言う正しき導き……破滅の未来を真っ向から否定する。
そんなシュウを、すずなぎは恨みがましい眼で睨みつける。
すずなぎの恨みの元凶である鎧。
その鎧を消
その眼に込められた怨念に一瞬たじろぐシュウであったが、
自分を取り込もうと迫るすずなぎの金剛の鎧に、
自分は輝煌帝の部品になるつもりはないと、
あくまでもすずなぎの言い分を認めようとはしない。
シュウの一撃が金剛の鎧に決まった瞬間、
突如鎧が光を放ち、
上空に幼い頃のすずなぎと、それを暖かく見守る女性の姿が映し出される。
その女性は……すずなぎの母親。
幼い頃の、今は亡き母の姿を見たすずなぎの表情は、
先程までの憎しみは何処へやら。
まさに母を恋しがる少女の顔であった。
しかし何故、怨念で作られた鎧から
このようなすずなぎの思い出が現れたのだろうか!?
シュウを騙すための作戦か?
すずなぎ自身の心の迷いが紛れ込ませたのか?
はたまたシュウの義の心が見せた幻か……
そこへシュウを助けんとセイジが駆けつける。
セイジの姿を見たすずなぎは、
今のセイジには敵わぬと見たか撤退。
金剛の鎧も後を追うように撤退を始めたが、

セイジの静止も聞かず、突如シュウが金剛の鎧にしがみつく。
そして
金剛の鎧か何か知らないが、貴様の力、俺が試してやるぜ!
武装ー!金剛ー!
なんと先程まで否定していたすずなぎの鎧を、自ら武装したのだ。
TVシリーズでは、仲間が連れ去られていると知って、
自ら妖邪界に乗り込んじゃったシュウ。
シュウらしいと言えばシュウらしいこの行動。
シュウの姿は消えた。
恐らく仲間達の元へと連れ去られたのだろう。
これで3つの鎧がすずなぎの下に揃った。
あと2つの鎧が揃った時、輝煌帝が再び……
セイジがこのまますずなぎの手に落ちなければ、
すずなぎの野望もここで終わりを告げる。
だがセイジは、あえてすずなぎがいる都庁へと乗り込む。
ある覚悟を胸に。
セイジは呟く。
始まりなのか、それともこれが終わりなのか……
次回『さまよえる心』
すずなぎと真っ向から向き合うセイジ。その結末は!?


というわけで、まぁ、あれだ。
ぶっちゃけいいところをセイジに持っていかれた感のあるシュウ回。
何気にシュウが単純馬鹿ではないところが所々に現れていて、
シュウの成長が伺えなくもない。