MESSAGE第1話『解かっていた結末』

これまでとはまったく違う雰囲気で始まるMESSAGE。
新宿に木霊する歌……ってぇ、また新宿かよ!
ま、新宿ばかり狙われるのも、仕方のない事なのかもしれないが。
人の怨念の集まりやすそうな場所として、
アラゴに目をつけられたのが運の尽きか。
で、アラゴとの戦いで輝煌帝(鎧世界)も人間界に現れて。
ムカラが最初に新宿に来たのも、
多分輝煌帝の足取りを追っての事かもしれないし。
とにかく、ま、あれだ。
今回は今までのようにビルが破壊されたりしないから安心だね!
……そういう問題じゃない?
異変を感じたトウマは、都庁を目指す。
何故だ!?何故またこんな事が起こるんだ!?
また何かさせようと言うのか!?
もうサムライトルーパーではなくなったはずだ!
心の中でトウマは悲痛な叫びを漏らす。
だがトウマがどう思おうが、異変は終わらない。
上空で繰り広げられる戦場……新たな妖邪界であろうか。
目的地への道すがら、これまでの戦いを振り返るトウマ。
カオスからヨロイギアを授かった時始まった、自分達の戦いを……
戦うしかなかった運命と重圧を背負って戦った日々を……
選ばれた5人だった……だが単に選ばれただけの筈だ。
そしてその勤めは終わったはず……
ただ、後ですずなぎからもツッコミを入れられますが、
鎧との関わりを断ち、もう鎧戦士としての宿命を終えたと、
そう思っているトウマですが、
異変を察知、わざわざ新宿まで足を運ぶというのは、
トウマ自身の正義感からか?
それとも……自分でも気づかずに鎧世界に縛られているのか?


一つ、二つ、三つ、四つ、五つ!
都庁に落ちる5つの光。
そして謎の少女……すずなぎがトウマの目の前に現れる。
お前がすずなぎか!?
と、トウマはすずなぎの事を知っているようで。
何故知っているかは……まあ次回辺りでも。
すずなぎはトウマに問う。
何をなさっているのです?
もうあなたは何もしなくていいはず?
そう、トウマ自身もトルーパーの勤めは終わった筈だと、
自分で言ってしまっている。なのに何故ここに来たのか?
いきなり胸のロザリオから光の玉を放ち攻撃する。
光の玉がトウマに襲い掛かる。
トウマは一旦はかわすが、光の玉は執拗にトウマを襲う。
光の玉がトウマに直撃!?
と思われたが、突如トウマの周りに青いバリアが。
これは弾動力!?
何故ヨロイパワーが?天空の鎧はもうなくなったはず!?
もう鎧との関わりは終わったはず!?なのに……
すずなぎは知っていた。トルーパーに鎧の力がまだ残っている事を。
そしてすずなぎは言う。
トウマ達は死に果てるときまでサムライトルーパーの名を背負って生きると。
恨む事です、カオスを。
鎧無間地獄に送り込んだカオスを……と。


すずなぎの回想が始まる。
1000年前、カオスがアラゴの体から作った9つのヨロイギア。
再び現れるであろうアラゴに対抗する為に作られたヨロイギア。
だが鎧の力を悪用されることを恐れたカオス。
鎧を託すものを慎重に選んでいたことだろう。
結果的に、四魔将の鎧のように、
カオスの思い通りにはならなかった鎧もあったが……
時は流れ戦時中、天空の鎧が封印された場所を訪れたカオス。
戦時中……鎧の力を使えば、
戦争に勝利することなど容易かったであろう。
しかし、天空の鎧は封印されたまま。
鎧を悪用しようとしない、心ある者に鎧が託されていたと言うことだ。
だがアラゴが再び人間界に現れる日は近い。
カオスはアラゴに対抗する力として、
ヨロイギアの封印を解こうとしていた。
そんなカオスの前に現れる、幼き頃の姿をしたすずなぎの怨霊。
すずなぎは鎧封印解除を阻止せんとカオスと対峙する。
この鎧を使ってはいけません。
鎧は炎となり、醜い争いを繰り返し、
この世を焼き尽くすだけのものとカオスに訴えながら。
鎧に対する怨念を抱くすずなぎを、カオスは成仏させんとする。
すずなぎの攻撃を、天空の鎧を使って跳ね返すカオス。
敵わぬと思ったかすずなぎはその場を後にする。


話は現代に戻り。
トウマの膝枕で眠る幼きすずなぎ。
すずなぎの過去を見せられたトウマの目の前に、
すずなぎが持っていた5枚の絵が広がる。
その絵に描かれた5つの鎧。
それはすずなぎの怨念で作られた鎧であった……
続いてトウマの目の前に広がったのは、
すずなぎが作った舞台、ネオステージで繰り広げられる、
5人のヨロイギアと輝煌帝の戦いが描かれた舞台であった。
それは輝煌帝伝説の結末。
こうしてトルーパー5人は力を合わせ、
戦いを求めるだけの鎧世界を倒しましたとさ。
めでたしめでたし。
……ここまでトルーパーを見てきた人達には、
いや、そうでもなくても、普通の人達にはそう思える内容のこの舞台。
トウマは輝煌帝の事を振り返る。
妖邪界と戦っていく上で最強の鎧として力となった輝煌帝。
だが輝煌帝は自分達に心を開いてはくれなかった。
それもそうだ。鎧には心がなかったのだから……
心無き鎧を俺達は求めはしない。
心の中で改めて鎧を否定する。
だが、すずなぎの感想は違っていた。
よくも輝煌帝を破壊してくれましたねサムライトルーパー
すずなぎは輝煌帝を欲していた。
故に輝煌帝伝説の戦いは、すずなぎにとってはバッドエンドなのだ。
輝煌帝の本当の意味……
全てを破壊し無を齎すことを知ってて尚、
輝煌帝が欲しかったのだ、すずなぎは。
しかしまあ、今後明らかにされますが、
すずなぎの怨念の原因は鎧だったりする。
鎧に対する憎しみを持ちながら、
鎧世界の象徴である輝煌帝を欲す。
すずなぎの真意は一体……!?


すずなぎは舞台の輝煌帝が持っていた剛烈剣を手に取ると、
片っ端から輝煌帝を消し去った5人を、
自分が憎むヨロイギアを斬っていく。

鎧だけで、中に仲間達がいるわけではないのだが、
仲間達が次々と惨殺されていく姿を見せられるトウマ。
そして終にトウマの鎧、天空の鎧までも斬られてしまう。
トウマの足元に、舞台の天空の鎧が落とした翔破弓が落ちる。
トウマはすかさずそれを手に取り、
翔破弓をすずなぎに向ける。
戦いを捨てた筈のトウマであったが、
こうして武器を取ってしまう。
さて……このまますずなぎを射るのか!?
するとトウマの目に、炎の中、
一人泣き叫ぶすずなぎの姿が……
すずなぎの怨みの原因である幼き頃の悲劇。
それをあえてトウマに見せるや、
すずなぎはトウマに、自分を討てと頼み込む。
その頼みにトウマは望みどおりすずなぎに矢を……
放つことはできなかった。
そんな傲慢な力は持ち合わせていない!
と、弓を手放してしまう。
輝煌帝伝説第1話では、生身であるムカラに、
非情に徹し、矢を放つことができたトウマ。
だが今回は……
やはり輝煌帝伝説での体験がそうさせたのか?
勿論、ムカラとすずなぎは違う。
ムカラは明確な戦意があったが、
すずなぎにはその様な戦う意思は感じられない。
すずなぎがアラゴのような絶対悪ならば、
トウマは容赦なく放っていただろうね。
いや、以前のトウマの場合、
むしろカオスと同じようにすずなぎを成仏させようとしたかもしれない。
だがトウマはそれをしようとはしなかった。
だがその甘さが、
すずなぎに付け入る隙を与えてしまった。
自分を討たないトウマに、すずなぎは叫ぶ。
安らかな死を与える定めをお受けください!と。
武装ー、天空ー!
するとトウマの周りに反物が乱れ飛ぶ。
これは……そう、お馴染みの武装シーン。
なのだが、無論この武装は望まれたものではない。
トウマはすずなぎに辞めろと叫ぶ。
鎧との関わりを断ち、戦いの日々から開放された……
そう信じていたトウマを、非情にもすずなぎの怨念の鎧が包み込む。
心のヨロイは、温かくはないさ……
全てが終わった後、そこに残されていたのは、
すずなぎが作り出した怨念の鎧に封印されたトウマの姿であった……
まずは、ひとーつ……
すずなぎは求める、5つの鎧を。
そしてその力で再び……
次回、『知らされた未来』
EDもまたこれまでのとは違い……重いというか……
すずなぎの過去を知るともう、ね……


と言うわけで、トルーパー最終章、MESSAGEが始まりました。
が、改めてMESSAGE1話を見ても……
怖いな……ホント。最後の武装シーン。
トウマの悲痛な叫びが余計に……ね……
ネタバレになるから深くは語りませんが、
トウマだけがある意味MESSAGEで一番損しているかもしれない。
すずなぎの真意を読み取る時間もなく、
こうして”無理やり”武装”させられる”羽目になってしまったのだから。
尤も、こうして真っ先にトウマから封印されたのは、
すずなぎの作戦なのだろうが。
智将トウマを後回しにしてしまうと、
後々自分の計画を阻止される恐れがあるだろうからね。
ま、すずなぎの計画も結局は……
あー、ネタバレせずに語るのは辛いね……