輝煌帝伝説第3話『走り始めた鎧』

双炎斬、雷光斬を受けてもなお平然としているムカラ。
生身の人間が耐えられる事が信じられないリョウとセイジ。
動揺する二人に容赦なく襲い掛かるムカラ。
戦いの最中、セイジはムカラの戦いにだけ集中する意思を感じ取る。
そこにナリアが割って入り、
ムカラにこの戦いが何を生むの?と問いかける。
確かにナリアの言うとおりではある。
この戦い、死と破壊しか生み出さないのは確か。
俺たちは、振り回されているというのか……鎧の力に!
心を捨て、戦いのみに走る鎧の力で立ち向かうなんて……
そんな力を振り回すほどのぼせ上がっちゃいないぜ!
リョウはこの戦いの無意味さを悟り、
烈火剣を地に突き立て、ムカラとの戦いを放棄する。


その頃日本ではリョウ達を助けに行く為、
トウマ達が準備をしていた。
だが、そこに白炎の姿はない……
新宿でムカラを攻撃しなかったことといい、
最近の白炎の行動に少し疑問を抱くトウマ。
だがそんな事を言っている場合ではない。
一刻も早く二人を助けに行かねばならないのだから。


だが、リョウが戦いを放棄したにもかかわらず、
いや、今のムカラには、
何故リョウが戦いを放棄したのか理解できないのだろう。
無抵抗のリョウに容赦なく襲い掛かるムカラの攻撃。
セイジは身を挺してリョウを庇う。
セイジは光輪剣の輝きを用い、
この戦いの背後にある意思を見定めようとする。
セイジが見定めたこの戦いの背後にある意思、
それは……白と黒、
互いに戦いだけを求める、心なき二つの輝煌帝であった。
自分たちが鎧の意思に操られかけていたことに気づいたセイジもまた、
リョウと同じく武器を捨て、戦いを放棄する。
純粋な戦士たるムカラは、戦うことを辞めた二人を理解しようともせず、
嘲り笑うだけであった。


未だ悩むシンの元を、白炎が訪れる。
5人の中でいち早く鎧の意思を感じ取り、
戦いを放棄したシン。
正確には、TV版で鎧の正義に疑問を抱き、
武装できなかったシュウが一番早く戦いを放棄した
と言えなくもないが、今回ほど悩んでいたわけでもないしなー。
とにかく、そんなシンが導き出す答えとは……?


宝くじの賞金と言う、外伝との繋がりを思わせる軍資金を使って、
アフリカまで向かうシュウ達。
軍資金が底を尽きそうなことを嘆くシュウに対し、
うちにはたくさん遺産があるから、心配しないでとナスティ。
お嫁さんにするならお姉ちゃんみたいなの最高だと思わない?
と、冗談めいてシュウにナスティをアピールする純。
そんな冗談に本気でナスティとの交際を考えるシュウ。
まさか本気でナスティの事が!?
ま、俺としましても、ナスティは魅力的だと思うよ。
とか和やかムードな3人とは対照的に、
トウマは一人悩んでいた。
黒い輝煌帝との戦いに、シンの力が必要になるかもしれない。
シンが戻ってくるのを待っていたかったが、
このままでは想像を絶する事が起こるかもしれない……
果たしてトウマの不吉な予感は当たってしまうのだろうか?


現地へと車を飛ばすナスティ達。
その車中で、姿を消した白炎の事を気にかける純。
白炎もまた、重い宿命を背負っている。
白炎なりにわけありの行動だとトウマは考えていた。
白炎が命を落としたとき、
白炎を助けてくれた黒水晶の黒炎王
黒炎王と黒い輝煌帝と何か関係があるのだろうか?とナスティ。
うん……うん?黒水晶!?
そんな事TV版で言ってたっけ……ま、いっか。
続いてトウマは前回のムカラとの戦いで感じ取った事を語りだす。
ムカラが邪悪な敵ではないことを、
そして今回の戦いの背後に、
鎧と鎧の戦い、心を必要とせず、
ただ力だけの戦いが繰り広げられていることを感じ取っていた。
その言葉に真っ向勝負を挑む気満々のシュウ。
敵は容赦なくしかけてくるから、
シュウの反応も間違ってはいないのだろうが、
なんというかまぁ、戦いを望むのはムカラと同じって所か?
こんな好戦的なシュウですがこの後……

その事で、話題はシンへと移る。
シンは必ず戻ってくると信じているシュウですが、
戦いを放棄した事に関しては許してないようで。
輝煌帝の強力な力を使いこなすには、
仁義礼智信、5つの心がひとつの目的のために揃わなければならない。
更には互いを思いやる心が、我々5人を支えているんだ。
そんなトウマの言葉をシンに聞かせてやりたいぜ
と、あくまでシンを戦いに連れ戻そうとする考えのようで。
鎧に関係なく、戦いその物を嫌うシンが、
今回の件を一番静かに見つめているのだろうが……


白炎に水滸の鎧を捨てた事を見透かされていたシン。
シンは自分でも気付いていた。
今の自分が戦士として何かが欠落している事を。
そんな悩めるシンの目の前で、
白炎が白炎王へと変身するやいなや、
何処へと消えていってしまう。
白炎が伝えたかった事は一体……?


ムカラ達の部族、タウラギ族の村へと近づくトウマ達。
吊り橋を渡ろうとした彼らを襲う部族の戦士たち。
吊り橋を切り落とされ、谷底へと落ちていくナスティと純。
トウマはナスティを、シュウは純をそれぞれ救出、
トウマは何処へと流され、
シュウはちょっとした頭脳プレー(?)で部族を巻き難を逃れました。
が、何故部族は彼らを村へと近づけさせたくなかったのだろうか?
追っ手を巻いたシュウと純は、
トウマ達の無事を祈りつつ森の奥地へと進む。
新宿に現れた蜃気楼と同じ植物を見つけた二人は、
偶然?それとも必然か?
ナリアが秘密の通路を通って、
隠されたタウラギ族の村へとやってくる。
その頃村では、リョウとセイジが捕らえられたまま、
村人達が黒い輝煌帝を祭っていた。
黒い輝煌帝……というより、
鎧の意思に反発するかのように、リョウとセイジの額に、
それぞれ仁、礼の文字が浮かびあがる。
心無き鎧を着てなお、その鎧を正義の為に使いこなせる、
トルーパー達の正義の心。
鎧を着こなすというのは、こういう心を持っていてこそ。
なのだが、ムカラにはその心はないのだろうか、
二人の心が理解できないでいた。
捕らえられ貼り付けられた二人を見たシュウは、
仲間の為に怒りに燃え、無謀にも一人飛び出してしまう。


一方トウマとナスティはとある遺跡にたどり着く。
ちょっとした翻訳機を通して、書かれている言葉を解読していく二人は、
輝煌帝伝説……輝煌帝誕生と二つの輝煌帝の存在について知ってしまう。
この奥地の水晶から誕生した白と黒の鎧。
この二つはけして出会ってはならないものだと言うこと。
二つの鎧が揃ったとき、宇宙がこの世に発生した力、
破壊が齎されるだろうと……
要するに、二つの鎧が揃ったら、
この世は消え去るって事だね!
……あー、もしかしたらTV版でバダモンが言っていた、
輝煌帝が無に帰すとかってこの事を言っていたのだろうか……?
その割には黒い輝煌帝の存在知らなかったっぽいしなぁ……
ま、輝煌帝単体の力だけでも、
この世界を簡単に破壊できそうだけどねー……
と、とにかく、白と黒の輝煌帝は出会ってはならないのだ。
だが今回の事件、明らかに両者は出会おうとしている。
二つの鎧の目的……それはつまり破壊のみということであろう。
白(トルーパー達)と黒(ムカラ)の鎧が出会った事で、
遺跡にあった白と黒の水晶も反応を示していた。


ムカラと戦うシュウにも異変が起こっていた。
二人の敵と、怒りに燃えるシュウ。
その怒りは敵を倒すと言う意思に、
それは鎧の戦いのみを求める意思と同調し始め……
純の目に映る金剛の鎧は、
かつてTV版でシュウが見せられた幻のように、
破壊の鎧に見えたでしょう。
シュウの……いや、金剛の鎧の姿に恐怖する純。
ムカラも黒い輝煌帝に武装
このままではまた、
リョウとセイジが危惧した破壊しか生み出さない戦いになってしまう。
そこへ二人の戦いを辞めさせようとトウマが駆けつける。
トウマはムカラにこの戦いの無意味さを説き、
冷静な判断を仰ぐ乙するも、
戦いを放棄し、無防備になったリョウとセイジに、
ムカラが攻撃を加えたと知ると、
まさにミイラ取りがミイラになる。
トウマもまた、ムカラに対し敵意を向けてしまう。
その敵意が鎧の意思と同調し……
白と黒、二つの輝煌帝の意思が、
人間界、妖邪界に続く第三勢力とも言うべき、
鎧世界の意思が、破壊のみを生み出す戦いを繰り広げんと、
トウマ達の鎧を操り始める……
寸での所で、鎧世界の意思に逆らうことに成功するトウマとシュウ。
トウマはおろか、ここに来るまでに随分と好戦的だったシュウすらも、
リョウとセイジ動揺、自ら戦いを放棄。武装を解除してしまう。
だがこれまでの武装解除と違うのは、
鎧が何処へと消えることなく、
まるで鎧自身が意思を持ったかのようにその場に存在し続けている事。
戦う力を求める鎧と、戦わなければならない正義の心、
それらに溝が生まれた瞬間であった。
だがムカラはなおも鎧に取り込まれたまま、
一人高笑いをするのであった。


トルーパー4人が戦いを放棄したその頃、
真っ先に戦いを放棄したシンはというと……
なんと自ら捨てたはずの鎧を再び手に取ろうとしていた。
鎧が自分たちに何を求めているのか?それを見極める為に、
あえて鎧の意思に立ち向かうことを決意する。
次回輝煌帝伝説完結、『悲しみを超えるものを、求めて! 』
トルーパー達の意思に反して走り始めた鎧。
人の心と心なき鎧との戦いの行方やいかに。


と言うわけで、まあ、ね、
鎧って、本当に怖いものですね。
そりゃ次回予告で俺の心をヨロイが走るとか言ってられませんよ。
輝煌帝伝説を最初に見たときのカルチャーショックと言ったらもうね。
これ見てからまたTV版見直すといいですよ。
アラゴ様の言っていた事は本当やったんやー!とか、
いろいろと新しい発見があると思います。
尤も、以前も語ったかもしれませんが、
平和な世の中なら鎧なんてそもそも必要ないわけで、
所詮鎧なんてただの戦う為の道具。
そこに心なんてあるわけありません、普通に考えたら。
鎧世界の意思は何一つ間違っちゃいません。
では鎧を武力に置き換えたとき、
果たしてその力をどうすればいいのか?
その決断は人の心に委ねられると言っていいでしょう。
輝煌帝伝説、そして次作MESSAGEは、
そういうテーマで描かれています。多分(多分て……)
って、輝煌帝伝説まだ終わっていないのに、
なんかまとめに入っちゃっているな(苦笑